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緊急連絡先になってくれる人はいますか?②(緊急連絡先の引き受け業務から感じること②)
新しいご相談です。
詳しい経緯は、分かりませんが、役所から当事務所のパンフレットを頂いたとのことです。
82歳の男性の方です。奥様は、既に老人ホームに入所され認知症を発症してるとのことです。
ご夫妻には、お子供がおられず、兄弟はたくさんいるが、みんな90歳近くになっており、もはや連絡も取りあっていないとのことです。
先日、自宅で体調が悪くなり、ご近所の方が救急車を呼んでくれたようです。
その時の救急隊員と病院側が行っていた電話でのやりとりを聞いていたようで、「自分が入院一つするのにどれだけ、ハードルがあるのかを思い知らされた」とおっしゃっていました。
まず、子供がいるのか?緊急連絡先になる人は?など、病院側は相談者の属性をしきりに確認し、明らかに自分の搬送受け入れを渋っている様子が聞いてとれるのだそうです。
確かに、その病院については、私どもも知っており、「親族と連絡が付かない限りは、搬送を受け入れないとか。治療を開始しないとか。」を聞いたことがあります。
病院側も訴訟のリスクなどを考えてなのでしょうか?
ご身寄りが無い方の救急搬送の受け入れに消極的なことも実際のところよくあります。
厚生労働省の通知では、身寄りがないことを理由に病院側が入院などの受け入れを拒否してはいけないと通知しています。
しかし、実際は機能していない様に感じます。
今回のご相談者は、今後、自分がまた緊急搬送されることがあった時に、ご近所の方にいくら協力をお願いしていても、緊急連絡先や保証人まではお願いできないと考えて、専門家に相談しようと決断されたそうです。
私どもは事情を聴いて、今回は「任意後見契約書の作成」と「緊急連絡先引き受け」「尊厳死宣言に関する宣誓書の作成」の依頼をご提案しました。
まずは、ここから始めておけば、緊急時に関係者から連絡があれば駆けつけますし、病院に入院すれば契約や支払いに応じますし、終末期の医療についても、相談者の意思をお伝えすることが可能になります。
これで完璧だとは決して言いませんが、まずは、ここから始めておけば、以後のお付き合いの中で、あとから必要に応じた追加の提案もできると思います。
幸福感を最大化する生き方とは(任意後見契約後のお客様フォローの現場より)
今日、お話したお客様とは、もう5年以上のお付き合いになります。
ご身寄りがないので、私どもと任意後見契約を交わし、その後も定期的な見守りを継続しています。
安否の確認や意思疎通の程度などの確認もかねて、月に1度はお話をしています。
今日、お客様が「いま、とても幸せに暮らせていると思うわ」と話されました。
私どもとしては、大変ありがたく、そして嬉しい気持ちになりました。
「幸福」に明確な定義はありませんよね。
どの様な状態が幸福なのかは、明確ではなくて、あくまでも、その人が「幸福を感じるか、どうか?」なのだと思います。
一見して、誰が見ても不自由のない生活を送っていても、その内心は苦悩に満ちていることもあるかもしれません。
一方で、物質的には十分で無くとも、その人が幸福を感じていいれば、心は穏やかで「幸福」なのだと思います。
年齢とともに「成長や成功」に限界があっても、「幸福感を最大化」することには、限界はないのかもしれません。
生・老・病・死があるのは、この世界の普遍であり、人間も会社も永遠に成長することは無く、成長から衰退へのカーブを描くのが自然と言われます。
そして、また新たな次のステージの生・老・病・死(春夏秋冬)が始まり、人は「らせん階段」をあがるように人生のステージを上げていく。
自然の法則に反した考えや行動をとらず、その時期に応じた「やるべき事」をやりなさい。
この様に指導を受けたことがあります。
お客様の「いま、幸福やわ」と言う言葉をお聞きして、きっと、この方は「やるべき事」をやって、人生の生・老・病・死(春夏秋冬)を何周も回って、ステージをあげて来られた集大成なのだと感じました。
自分自身も、「幸福」だと心から感じて、言葉にできる生き方をしたいと感じた面談でした。
老人ホームの住み替え相談(任意後見契約後のお客様フォローの現場から)
近ごろ、よくお問合せを頂くテーマです。
現在の施設を変わりたい。転居したい。
ご入居しているご本人からの場合もありますし、ご家族からの場合もあります。
理由は、多く分けると2つであることが多いように感じます。
「費用の問題」
以前より、施設の費用が高くなってきていて、このまま毎月支払い続けるとお金が足りなくなる恐れがあるので、早い目にもう少し安価な老人ホームへ転居したい。
それ以外に
「人間関係やスタッフさんとの相性の問題」
入居者どうしの人間関係が嫌で、現在の老人ホームから転居したい。
または、老人ホームでお世話して下さるスタッフさんとの相性がどうしても合わず転居したい。
多いのは、「費用の問題」で相談に来られる方ですが、稀に「人間関係やスタッフさんとの相性」で悩まれている方もいます。
費用の場合は、現在の老人ホームより安価なところを探せば良いので、検討の軸は比較的ですが容易です。
一方で、人間関係や相性が原因の場合は、老人ホームを転居しても、また同じような問題が生じる可能性もあり、一概に転居することが良いとは言い切れないこともありそうなので注意が必要です。
今回は、数少ない「人間関係や相性」が原因のご相談者でした。
実はこの方とは、もう8年ほど前からのお付き合いがあります。
定期的にお引越しをなされたくなることがあり、今までに2度ほど転居をお手伝いしたことがあります。
今回は、事情を聴くと、今までは元気でいれたので、殆ど介護を利用せずに済んできた。
(この方は、入所する老人ホームの中では自立フロアにお住まいです)
しかし、今後は徐々に介護を必要とする様になると自分でも感じる様になった。
しかし、今いる老人ホームはスタッフさんの人数も多くはなさそうであり、何となく不安がある。
また、老人ホームのスタッフさんとも何となく相性があわず、本格的に介護が必要になった場合は、信頼関係がいっそう必要になるが、正直あまり頼みたくはない。
そこで、本格的な介護が必要になる場合に備えて、もし自分が介護を受けながら過ごす老人ホームを探したいとのことでした。
確かに今までは、かなり自立度が高い人が多い施設に入居しておられました。
しかし、年齢も95歳になられ最近は、すこし大丈夫かな?っと感じることもありました。
このご相談者は、自分でもしっかり考えておられたようで、お話しの内容にも、もっともな理由があると思いましたので、最後の老人ホーム探しの支援を行うことになりました。
来週から、施設の見学をご一緒するところから始めて行きます。
なお、この方は私どもと任意後見契約を交わしていますので、将来的にこの方に何かあった場合は、私どもで責任をもって対応するつもりです。
老人ホーム探しと住宅の売却(不動産売却を伴う老人ホーム探しの現場から)
ケアマネージャーさんからご紹介を頂きまして、現在の自宅を売却して老人ホームへの入所検討している方のご相談を受けています。
この様な相談があった場合は、必ず司法書士さんが同席して、相談に対応します。
ご相談者の方は、自分の意思もはっきりとしておられ、自分で物事を決定することができる方です。
老人ホームへの入所もご自身で決意され、当社と一緒に探すことになりました。
ただ、住宅の売却については、一生の中でそう何度もあるわけでもなく、また一人で不動産屋とやり取りするのは、少し自信がないとの事でした。
司法書士さんが事情をよく聞き、売却の方法や方針などを相談者と一緒に考えて説明してくれました。
今回は、司法書士さんが相談者と一緒に不動産会社に同行して、売却を依頼することになりました。
不動産会社も1社ではなく、複数社から事情を聴いて、価格の査定依頼をすることになりました。
やはり、不動産会社によって考えに多少の違いがあり、査定価格も異なることが多いと思います。
かなり安い価格で評価してきたり、あるいは、現実離れした高額な価格で査定してきたりすることもあるので注意が必要です。
買い叩かれるようなことは論外ですが、稀にですが客引きのために高額な価格で査定して、現実には全く査定価格では売れないと言うこともあります。
そういう意味では、良い不動産会社に巡り合えるかは、できるだけ有利な条件で売却をする為には大事なことになります。
でも、不動産屋さんは町中にたくさんありますから、どこが良いのか分からないのが現実ですよね。
正直に申し上げて、大手の会社なら安心かと言うと実はそうでもなく、地域密着の中堅規模の不動産屋さんが良い場合もあります。
その地域や不動産が戸建てか、マンションか、あるいは古いか、新しいかなどによっても得意分野が違うように感じます。
相談者の所有される不動産の特性にあった不動産会社を司法書士さんと一緒にあたり、売却を依頼する方針となりました。
不動産会社との連絡窓口は、司法書士さんになってもらい、司法書士さんから相談者さんには説明してもらいます。
ないと信じたいですが、もし、不動産会社の営業の方が強引な方法で相談者に売却を迫ったりするのを未然に防ぐためです。
不動産の売買契約にも司法書士さんに同席してもらい、安全に代金を受け取るところまで見届けてもらいます。
もちろん、この様な相談や活動を司法書士さんに依頼すると、相談料や日当が必要になりますが、不動産会社さんに主導権を握られた状態になるよりも、はるかに安全で常識的な条件で売却できると思います。
以前も築年数が経過した古いマンションを売却する必要があり、通常であれば売却が簡単ではないような事例がありました。
その際は、司法書士さんに窓口になってもらい、複数の不動産会社さんを競わせるような形式(入札)で売却するなど、不利な条件面の中でも工夫して売却してもらった経緯があります。
最近は、新聞などでは「不動産買取サービス」「即現金化」「売却しても、そのまま住める」など都合が良さそうなキーワードの広告が出ています。
また、高齢者を騙す悪質な不動産屋の話しも新聞では取り上げられることが多くなりました。
悪い業者に騙されてしまっても馬鹿らしいですし、被害にあってしまったら損害を回復するのは難しいです。
「少し不安だな」と感じられるのであれば、最初から専門家に相談をされるのもお勧めです。
当社までお声がけ頂ければ、対応致しますので。