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自立高齢者向け老人ホームの見学同行(老人ホーム見学同行の現場から)
95歳の男性ですが、介護サービスは何も利用しておらず、とてもお元気に過ごしておられます。
若いころは、大手の上場会社に勤務され全国を転勤し、飛び回っていたとのことです。
3年前、奥様が先にご逝去され、いろいろ考えてみると、見守りのある高齢者マンションの様なところに入居したくなり、施設探しを始めたそうです。
お子様は、おられますが、事情があり連絡をとっておられません。
詳しい理由は、ここでは書けませんが、何があっても自分一人で最後まで頑張ろうと言う、ゆるぎない気持ちが見えました。
今回、ご案内した施設は、施設と言うより「シニア マンション」と言うのが相応しく、外出や外泊も自由ですし、食事も施設内で提供がありますが、喫食するか否かは個人の自由で、完全に自炊して生活することも可能です。
ただし、費用も食事なしで、月額26万円程度とそれなりにしますから、誰でも入所できるところではなさそうです。
居室には、システムキッチン、床暖房もあり、浴室も各部屋にありますので、本当にコンパクトにまとまったマンションと言うのが相応しい雰囲気です。
一般のマンションと違うのは、「1日1回の安否確認」が必ずあること。
居室の要所(トイレ、浴室など)に緊急呼び出しボタンがあり、24時間駆けつける体制があることです。
施設の方に聞くと、入居者の3分の2が、自立しており、特に介護サービスを受けていない様ですので、「介護サービスありき」の老人ホームとは違う雰囲気が感じられます。
入居者の方を拝見していると、やはり活気と言うか活力がある様に感じます。
ただの贅沢な施設だと言われてしまうかも知れませんが、相談者それぞれの事情や経済力に合った高齢者向け施設と言うのが間違いなく存在します。
現実、今回のご相談者は、この施設を大変気に入られ、その場で入所の申し込みをしたいと話されました。
私どもとしては、勢いで申し込むのではなく一旦、冷静な気持ちになった方が良いと思いましたので、一度帰宅してから改めて連絡することを提案しました。
一度、自宅へ帰り、一緒に費用のこと。保証人のこと。など話し合いました。
ご相談者の場合、さすが大手企業でお勤めでったこともあり、年金が十分ありますので、平素の支払いには問題がなさそうです。
多少の預貯金の切り崩しが必要ですが、相談者の方がご存命の間は底を付くこともないと思われました。
「老人ホーム」として見れば、見守りが不十分だと言えなくはありませんが、今回の相談者が求めているのは、老人ホーム的な介護、見守りではなく「過干渉されない程度の見守り、声掛け」なのです。
そう言う点では、まさに相談者には、ちょうど良い施設だと確かに感じました。
ただ、気がかりなのは、保証人でした。
お子様と音信不通ですので、有力な保証人の候補者がいない様です。
私どもで保証人をお引き受けすることも出来ますが、費用がかかりますので、一旦は兄弟姉妹、甥姪などにお声がけ頂き、それでも難しい場合は、私どもで責任をもってお引き受けする方針としました。
最終的には、私どもが保証人になりますので、一応は、保証人の問題も解決の目途があると言うことの事情を付言して、改めて正式に入居の申し込みの意思を施設側にお伝えし、お申込書を提出することになったのです。
自分の思う施設に巡りあえたからか、相談者の顔が随分と明るくなった様に感じました。