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老人ホーム入居支援の舞台裏〜生活保護受給者のケースから学ぶ調整・交渉術と信頼関係の重要性(老人ホーム探しに関する相談の現場から)
本日は、老人ホームへのご入居の立ち会いという役割を担いました。
今回の相談者様は、以前に別の紹介会社にご相談されていた経緯があり、詳しい事情は不明ですが、長い間、入所できる老人ホームが決まらなかったという状況に直面されていました。このような背景もあり、私どもとしては、ご入居が無事に完了するまで、契約の立ち会いも含め、最後までしっかりとサポートさせていただきたいという強い思いがありました。
高齢のご家族を支える支援の重要性
ご相談者様にはお子さんがいらっしゃらず、ご兄弟の皆様が手分けしてご本人を支援されていました。皆様もご高齢になられているご様子で、その大変さがひしひしと伝わってきました。だからこそ、私たちが力になりたいと強く感じました。
生活保護に関すること、入所の契約、費用に関することなど、複数の課題が重なると、ご本人様やご家族様が混乱されるのは当然のことです。特に今回は「生活保護」に関する部分で、私たちがご家族様やご本人様の窓口となり、関係機関との連絡・調整を引き受けました。
生活保護受給者の老人ホーム入居における費用と交渉のポイント
老人ホームへ入所する際には、通常、敷金や日割り家賃が必要となります。これらの費用は生活保護費から支給されることがありますが、ケースワーカーさんを通じて申請を行い、すぐに支給されるわけではありません。一定の審査期間が必要となります。
今回は、どうしても早期に入所する必要がある事情がありました。通常であれば、敷金や日割り家賃は入所前に用意するか、入所当日に支払うのが原則です。しかし、私どもは老人ホーム側と粘り強く交渉し、入居後の後払いを特別に認めていただくことができました。
この交渉が成功した背景には、以下の重要なポイントがあります。
- ケースワーカーさんとの綿密な連携: 確実に申請した費用が支給されるか、事前に確認を取り合いました。
- 老人ホーム側との信頼関係: 普段からの連携を通じて築き上げてきた信頼関係が、今回の交渉を円滑に進める上で非常に大きな要因となりました。
調整役としてのやりがい
このようなケースでは、「ご家族(ご本人)と老人ホーム」、あるいは「ご家族(ご本人)とケースワーカーさん」といった多角的な関係性を円滑に調整していくことが求められます。これは想像以上に神経を使い、大きな緊張感を伴う業務です。もし私たちのミスリードがあれば、ご家族様や老人ホームにもご迷惑や不安を与えてしまうことになりかねません。
しかし、このような複雑な調整がうまくまとまり、ご家族様に心から喜んでいただけた時の達成感はひとしおです。これこそが、この仕事の大きなやりがいであると感じる一面です。
老人ホームの入所に関するご相談に応じることの**「難しさ」と「やりがい」は、まさに私たち支援者側の人間力(胆力)**に比例すると言えるでしょう。地道な経験を積み重ねることでしか得られない、奥深い仕事だと改めて感じています。