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絶対に失敗しない有料老人ホームの選び方 ~第1章~
大阪老人ホーム・介護施設紹介センターで入居相談を担当しております「大塚」です。
本日は上岡榮信さんの著書「絶対に失敗しない有料老人ホームの選び方」第一章
「老いることへの心構え」から,ご紹介させていただきます。
~第一章~ 老いることへの心構え
「アメリカのシニアマーケティングから学ぶ・その1」
シニア層に対する誤解。これは日本に限ったことではありません。欧米でも広告代理店
がマーケティングした場合は,お年寄りの深層心理がわからないので間違ったアプロー
チや宣伝をしてしまうことはあります。
シルバービジネスの本場アメリカでも,高齢消費者に通用する明快なマーケティング理
論はないのですが,一つだけ,大変面白いものがありました。ワシントンDCの郊外に住
むデビット・B・ウルフ氏が唱えるアチュアリティ・マーケティングです。この理論は「中高
年以上の年齢層では,もの,サービスのニーズは若年層と異なるが,この違いは年齢に
よるものではなく,精神,人格の成熟度,完成度のレベルによるものである」というものです。
この理論の実施により,劇的な成功を収めた事例をご紹介しましょう。
ドラマは1990年代初め,オハイオ州にあったソサイアティ・バンクという地方銀行で起こり
ました。この銀行の預金者のうち高齢者の割合が20パーセント近くになったため,彼ら高
齢預金者に対応しなくてはならない若いカウンター業務行員にストレスが生じてしまった
そうです。そしてわずか一年間で,30パーセントもの離職者が出るという問題が発生しまし
た。そこで労務担当のマーク・クーパー氏は,ウルフ氏のマーケティング理論にならい,若
いカウンター業務の行員に対して,「年をとるとはどういうことか」「高齢者がものを選び,もの
を買うときの基準と動機はどのようなものか」「それらを理解し,高齢者とコミュニケートしなけ
ればならない」という教育を行いました。その結果,3年間で離職率が30パーセントから6パ
ーセントに減ったそうです。また,高齢預金者は,約3万6000人から4倍以上の約15万人
へ。さらに一人当たりの平均預金高が,1万1000ドルから4倍以上の4万6000ドルへと,
驚くべき変化を遂げたのです。
これまでのシニア層に対する考え方は,「高齢者は心身機能が衰え,無気力,無感動な弱
者である」というものでした。それを,「高齢者は判断能力,思慮深さ,英知,人生経験を備え
,たとえ身体機能は低下しても精神機能は衰えず,最期のときまで成長,成熟,完成を目指
し,世のため人のために貢献する意欲を持ち続ける人たちである」へと基本姿勢をシフトする
ことで,若い行員たちの接客マナーがガラッと変わり,金融商品は何も変わってないのに,大
きな変化が生まれたのです。シニアに対するこのような接客方法を,日本もぜひ見習うべきだ
と思います。
話を老人ホームに戻すと,アメリカの施設の多くは,高齢者の心理や気持ちを察し,共感を得
られる対応をしているように思います。それはサービスやマナーばかりではありません。日本と
アメリカの老人ホームの一番の違いは,実は建物に表れています。
老人ホームをデザインするとき,アメリカではまず地域性を重視して建築しています。ニューイ
ングランド地方のボストンであれば英国風のグレーを基調にした美しいレンガづくりの建物,ア
リゾナ州のフェニックスではサウスウエスタン地方らしい明るいオフホワイトの壁に緑や茶色の
屋根といった具合です。決してカリフォルニアにニューイングランド風の建物は建てませんし,
サウスウエストの砂漠にミッドウエストスタイルの建物は建てません。
もうひとつ特徴的なのは,入居者が若かった時代の風俗や建物を再現していることです。
認知症のホームによく見られる傾向ですが,ノスタルジックな環境や雰囲気をつくることで,
入居者の精神状態が安定するのだそうです。日本でいえば,映画 『ALWAYS 三丁目の
夕日』に出てくる昭和30年代初期の建物といった感じでしょうか。
ところが,日本はどうでしょう。青森風のホームや鹿児島風のホームなど,聞いたこともあり
ません。日本では全国どこへ行っても,大手ハウスメーカーの同じような工法で建てられて
いることもあり,これではローカリティどころかデリカシーもないように思うのは私だけでしょうか。
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