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サービス付き高齢者住宅(サ高住)の選び方(老人ホーム探しに関する相談の現場から)
サービス付き高齢者住宅の入居相談をお受けすることがあります。
サービス付き高齢者住宅は、少なくとも、「1日1回の安否確認」が義務付けられている高齢者向けの賃貸住宅と言って良いと思います。
法令上、要請されているのは、「1日1回の安否確認サービス」のみですが、実際には、非常に多くの施設で介護ヘルパーさんを常勤させていて、基本的には常勤のヘルパーさんに介護や生活援助をお願いすることになります。
また、看護師さんがいるところもありますし、理学療法士さんがいるところもあります。
なかには、24時間看護師を配置して、極めて医療依存度が高い方ばかりが入居している様なサービス付き高齢者住宅もあり、本来の制度設計とは少しズレますが、これも特徴の一つなのだと思います。
また、施設によっては、ヘルパーさんは敢えて常勤させず、ケアマネージャーさんを通じて外部から、自分の好きなヘルパーさんに来て頂くことが可能なサービス付き高齢者住宅も数は少ないですが存在します。
この様なタイプの施設は、ケアマネさんも、ヘルパーさんも、自分の気に入った人に依頼できますし、また受ける介護サービスも自分で決めることができますから、自己決定に対する意識が高い方には満足度が高くなると思います。
その一方で、自分が行った決定に対して、やはり自己責任を求められますので、入居する本人さん、ご家族さんにも一定のリテラシーが要求されると思います。
つまり、サービス付き高齢者住宅は、良い意味でも、悪い意味でも各施設ごとに特徴(個性)が大きく、サービス水準にかなりの開きがあると言うことです。
例えば、「夜間の訪室巡回が3時間に1回」の頻度で行われる施設もあれば、「夜間の訪室巡回は行われない。」と言う施設も存在します。
それ自体が、善とか悪とか言うわけではなく、「入居者の身体の状態に合っているか否か?」を検討するべきだと思います。
歩行が不安定でありながらも、居室のトイレは自分で行きたいと考えている入居希望者さんなら、夜間の訪室巡回はあった方が良いと思います。
さもなくば、仮に夜間に転倒した場合、自分でナースコールを押せなければ、朝まで転倒した状態から発見されない可能性が出てしまいます。
一方で、そのような危険がない入居希望者さんであれば、夜間の訪室巡回が無いことは、特に懸念事項にはならないでしょう。
サービス提供の水準が一律ではない多様な特徴をもつ「サービス付き高齢者住宅」を検討するのであれば、是非、老人ホーム選びの専門家に相談して欲しいと思います。
「自宅の近所にあるから」「知り合いが入っていたから」と言う理由だけで選択するのは、大丈夫なのかな?と心配になります。
老人ホーム選びの専門家であれば、その施設の特徴を知ってるはずですので、対面で一度相談してみられてはどうでしょうか。
インターネット上の情報や電話だけでは聞けない、「意見」がそこにあると思います。