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《「生活保護」必要とする人の8割が受けられず》その不条理について。(老人ホーム探しに関する相談の現場から)
Yahoo!のニュース記事を拝見していた時に目に留まったキーワードです。
(弁護士JPニュースが元記事だったと思います)
実際に「生活保護を必要としている人の8割が受けることが出来ていないか?」は、私どもには、正確には判りません。
ただ、私どもが仕事で関る限りで見ても、確かに生活状況、収入、資産、支援者の状況から見て、明らかに生活保護の申請を必要とする方が、生活保護を受けていないことはよくあります。
生活保護の申請の方法を知らなかったり、自分が生活保護を受けることが出来ることを知らなかったりすることもあるようです。
また、生活保護を受けることは恥ずかしいと考えて、知っていても申請しないこともあると思います。
老人ホーム探しをお手伝いする中に限定すると、認知症になってしまい生活保護の申請が困難な状況の方。
認知症はなくとも高齢になると、自分の状況を上手に整理して、役所や周囲に伝えることが出来ず、自分の正しい権利の主張が出来なくなることもあります。
その結果、生活保護の申請が困難な状況になられる方もおられます。
生活保護は、「申請主義」の建前を採用していますから、例外もありますが、みずから申請しなければ、原則として生活保護は開始されないのが原則です。
すると、認知症や、何らかの障碍などによって、自分の権利を正しく行使できない事情がある本当に生活保護が必要な方に、なかなか生活保護が開始されず、後回しになってしまう可能性はあります。
建前上は、どうすることも出来ない部分もあるでしょうが、やはり、「不条理」だと感じますし、ある種の「社会悪」と言うべきだと思います。
ただ、不条理や社会悪は、ただ「待っている」だけでは、救済されないことが多くて、
救済されるためには、やはり「声」を上げる必要があります。
「自分で声を上げることが出来ない場合、自分の状況を自分で整理して、役所などに説明することが出来ない場合」
その様な時は、誰かに同行してもらうのが良策です。
ときとして、私どももお手伝いすることもありますし、弁護士さんや司法書士さんに同行をお願いすることもあります。
無理筋のことを「ごり押し」する様なことは、するべきではありませんが、複雑になった事情や事実を整理すれば、本来の落ち着くべきところ、すなわち「解決」に向かうことも多いと思います。
「法の理念は、正義であり、法の目的は平和である。だが、法の実践は、社会悪と戦う闘争である。」
法学者である末川博 先生の言葉ですが、その通りの部分があって、法律があれば「正義」や「平和」は向こうからやって来るのではなくて、自分を取り巻く不条理や理不尽を是正したいのであれば、「声をあげて」救済を求めなければならいのだと思います。
老人ホームをお探しの方で、この様な状態にある方は、可能な限りのご相談に対応していますので、ご連絡を頂ければと思います。